
女性の人生における重要な出来事の一つが出産です。
私たちは、妊婦さん自身にとってより良い出産をサポートいたします。
このページでは、当院における無痛分娩についてご紹介します。

最終更新日時:2025年4月14日
無痛分娩について

硬膜外麻酔という手術の際にも使われる麻酔によって、陣痛と分娩の痛みをとる方法です。
使っている麻酔薬は基本的には痛みだけを抑えて、触られる感覚や運動する神経は残りますので歩くこともできますし、いきむこともできます。
痛みがないことから、赤ちゃんを生む感覚は普通のお産よりはっきり感じることができます。
陣痛を耐える間の筋肉の緊張も少ないか、まったくないので、産後の筋肉痛もほとんどありません。
そのため、お産後の回復も早いと思います。
お産は痛いから怖いと思っている方、前のお産が痛くて2度と生みたくないと思っている方にはお勧めの方法です。
メリット | デメリット |
●分娩時(陣痛)の軽減により、リラックスして分娩に臨むことができます。 ● 会陰切開部や会陰裂傷の縫合時の痛みも軽減されます。 ● 分娩時のダメージを軽減することで体力が温存でき、産後の回復も早くなります。 | ●麻酔によるリスクが生じます ● 分娩第2期の延長:子宮口が全開してから赤ちゃんが生まれるまでの時間が長くなる場合があります。 ● 器械分娩の増加:吸引分娩や鉗子分娩となる率がやや増えるとされています。 |
無痛分娩の麻酔方法
当院では、代表的な麻酔法である『硬膜外麻酔』を用いた無痛分娩を行っています。
『硬膜外麻酔』とは、背中の腰の辺りから硬膜外腔という部分に、細いチューブ(直径 1㎜以下)を挿入し、そのチューブを通して麻酔薬を入れることにより痛みを和らげます。
チューブを挿入するため、当院では原則的に計画的無痛分娩となります。
また、当院では自然陣痛が突然きてしまった場合でも、基本的に無痛分娩の対応が可能です。
硬膜外麻酔の問題点 |
●神経の走行に個人差もあり、部分的に痛みが残ったり、片側しか効かなかったりする場合があります。 ●痛みの神経と運動神経は近い位置にあるため、運動神経も一緒に麻痺してしまう場合があります。普通に歩けるつもりで歩いてしまうと力が入らず転倒してしまう可能性があります。 ●脊椎の骨折や椎間板ヘルニアの既往がある方、出血しやすい状態にある場合この方法は選択できないことがあります。 ●合併症としてはチューブ挿入部からの感染、脊髄神経を傷つけてしまう場合や、脊髄周囲の血管を傷つけてしまい血のたまりを作ってしまうことなどがあります。また、強い頭痛が発生する場合もあります。基本的には硬膜外麻酔の経験豊富な医師が挿入するため、そのような危険性はほとんどありません。 基本的には陣痛の痛みをゼロにすることが可能な麻酔です。とにかくなんとなくでも痛みを感じたらお伝えください。 |
費用について
無痛分娩の対象者、費用について
対象:当院で出産予定の妊婦様(初産婦・妊産婦)
費用:当院では無痛分娩の費用として、通常の分娩費用に加えて10万円いただいております。
(当院が東京都の助成対象となった場合の無痛分娩助成費用は10万円です)
→詳しい費用についてはこちらをご覧ください。
新中野女性クリニックの無痛分娩のスケジュール
硬膜外麻酔による無痛分娩のスケジュール
前日 | 1.夕方にご入院いただきます。 |
2.硬膜外腔に麻酔のチューブを挿入します。 ●挿入部には非常に細い針で局所麻酔をします。 (歯科の麻酔とほぼ同じ麻酔ですが、歯の麻酔ほどの痛みはありません。) ●後は押される感じはありますが強い痛みはありません。 ●背中の骨の異常や、出血しやすい病気をおもちなどの場合この方法は選択いただけない場合もあります。 ●また、背骨の隙間が狭い場合は挿入を断念する場合もあります。 | |
3.子宮の出口を開くための準備の処置をします。 陣痛がついただけでは、お産が進むのに時間がかかってしまう場合もあります。 早くお産が進むためには子宮の出口が開きやすくやわらかくなっていることが必要です。そのための準備です。 当院ではラミセルというスポンジでできた棒を1~2本子宮口に挿入します。 |
当日 | 1.子宮口の確認をします。 子宮口があまり開いていない場合、子宮口をさらに開きやすくするため、サービカルバルーンという風船を子宮口に挿入する場合もあります。 |
2.陣痛誘発剤の点滴をはじめます。 陣痛誘発剤は分娩の際、人間の脳から出るホルモンの一種です。 けっして毒ではありませんので、それ自体がお母さんやあかちゃんに害になるようなことはありません。 しかし、いっぺんに大量に投与してしまうと強すぎる陣痛が来て、赤ちゃんが疲れてしまうようなこともありえます。 そのため陣痛誘発剤の点滴は、ポンプを使って極少量から少しずつ増やしていきます。 また、赤ちゃんが元気かどうかをモニターしていきます。 | |
3.陣痛が始まります。 最初の内、少し痛みを感じてください。 全く痛みのないところからはじめてしまうと、ほんの少しの痛みの変化を非常に強く感じてしまう場合があるためです。 また、あまり早く麻酔を始めてしまうと陣痛がつきにくくなって分娩が進みにくい場合もあるためです。 ただし痛みは我慢せず、なんとなく痛みを感じたらすぐ伝えてください。 | |
4.麻酔薬が効いてきます。 麻酔薬を注入して15分から20分ぐらいで痛みがとれてきます。 痛みがとれてこないと感じたらおっしゃってください。もう一度麻酔薬を注入します。 また15分から20分待ってまったく痛みが取れなければチューブを入れ直します。 効いていたのに痛みが出てくる場合があります。その時は我慢せず痛みをなんとなく感じたらすぐお伝えください。 硬膜外麻酔の欠点として部分的に痛いところが残ってしまう場合があります。 その場合は他の方法をあわせて使う場合もあります。 | |
5.麻酔が効いた状態で出産へ。 当院で使用している麻酔薬は痛みをとりますが、触られる感覚は残ります。 それを痛みと感じてしまう方もいらっしゃいます。 痛みだけをとることを目的とした麻酔薬ですので、基本的に運動神経は麻痺しません。 歩いてトイレに行くこともできますし、もちろん分娩のときにいきむこともできます。 時に、運動神経に影響が出ることあり、足がしびれたようになって、普通に歩いてしまうと転倒してしまうようなこともあります。 歩きたいときは必ず看護士にお伝えください。 |
安全体制について
新中野女性クリニックでは、JALA(無痛分娩関係学会・団体連絡協議会)の「無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提言」に基づき、
安全管理体制を整え、無痛分娩の安全性向上のために努めています。
また、新中野女性クリニックでは先の提言中の「無痛分娩の提供体制に関する情報公開促進のための提言」に基づき以下の通り情報を公開しております。
「自主点検表」の項目を確認し、ただし書きにより猶予が認められたもの以外は全て満たしていること、猶予が認められたものは、猶予期間内に確実に満たすことを誓約しています。